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ソシエ・ワールドが目指すマーケティングのカタチとは?今、ソーシャルメディアを重視する理由

投稿日:2019年4月2日 更新日:

このたびWeb行動心理学研究所では、企業のマーケティング担当者に現在のマーケティングの取り組みや課題について伺いながら、「人の心を動かす」マーケティングについて考える、インタビュー企画をスタートいたしました。

第一弾の今回は、株式会社ソシエ・ワールドのマーケティング担当者、江見頼孝さんにお話をお伺いします。

 

プロフィール

江見 頼孝  ( えみ よりたか )

株式会社ソシエ・ワールド
マーケティング部 マーケティング担当 マネージャー

新卒でYKK株式会社に入社、その後、ネットワークインテグレーター、個人事業主(放送作家/リサーチャー)、広告代理店を経て、2018年にソシエ・ワールド入社。主にデジタルプロモーションを担当。大阪府出身。

 

-本日は、ソシエ・ワールドにおけるマーケティングの取り組みと課題についてお伺いいたします。まずは、江見さんが担当されている業務や役割を教えていただけますか?

はい、僕はマーケティング部に所属し、当社のすべての事業(※1)のプロモーションを担当しています。そこで、メディア全般を使った新規顧客の集客をメインに行っています。5事業部の運用型ウェブ広告の管理を行っているのですが、事業部の注力コースやエリアごとの予約状況を鑑みたプランニング、来店率や契約率など、各種KPIとメディア運用状況、現場の反響や希望を踏まえたうえでの翌月のプロモーション戦略の考案などを対応しています。最近では事業会社とのアライアンスも着手するなど、広報的な活動も行っています。

マーケティング部としては、各事業部に新客来店を誘致するためのメディア戦略からツール等の販促物作成等を行います。ウェブサイトの更新やコンテンツ拡充、ソーシャルメディアの運用、その他、ディベロッパへの営業からイベント、コールセンター等々、かなり守備範囲を広くして対応している部隊になります。

※ソシエ・ワールドの事業展開についてはコチラ

 

-貴社においてマーケティング部は、かなり幅広い業務を担当されるのですね。さまざまな事業を展開されていますが、特にマーケティングに力をいれている事業はありますか?

「今こうしたほうが会社にとって重要だ」と思うことを順番に対応していますが、現時点ではエステティック事業の対応が多くなる傾向にあります。

 

「外にコンテンツを置くことは欠かせない」ソーシャルメディアを重視する理由

-では、本日はエステティック事業についてメインでお伺いしてまいります。現在注力している施策はなんでしょうか

エステ事業のデジタルマーケティングにおいては、特にソーシャルメディアを重視しています。

 

-なぜソーシャルメディアなのでしょうか?

当社のサイトに訪問したユーザーは、すぐに申し込みへ進むという方が多いです。ユーザーは、ネット上で様々な情報を取捨選択して、何らかの理由で「ソシエのエステ体験をしよう」と思ってサイトに来られている傾向があります。そのため、すでにサイトに来られた方は、一気に予約に進むのだと考えています。
その際の情報源の一つとして、ユーザーはソーシャルメディアでの推奨投稿・つぶやきや、ブログメディアなどの正直な感想を考慮している可能性があると考えています。

そういう意味で、僕は外にコンテンツを置くことが大事だと考えています。ユーザーの行動として、当社以外のサイトで、当社のことを判断する傾向にあるので、「当社以外のサイトに情報を置く」=「外にコンテンツを置く」ことをマーケティング活動において重視しています。
もちろんオウンドメディアにも必要な情報を掲載することは大切ですが、ソーシャルメディアやブログメディア上にソシエの情報が共有され、ユーザーの参考となるコンテンツが増えていくことが必要だと考えています。

 

-具体的には、どのような情報が外のコンテンツになると良いのでしょうか?

当社のエステティックのこだわりの一つに「手技」という点があります。最近はいろんなエステ機器がありますよね。ただソーシャルメディアでユーザーの書き込みを見ると、機械をかけたまま放置されてしまう、みたいなことって結構あるようです。でも、ソシエのエステティックはオールハンド施術が中心です。手で触れることによってお客さま一人ひとりの肌質、ご希望、体調に合わせたオーダーメイドのケアを行っています。目的は、痩身から、エイジングケア・リラックスなどさまざまです。
このこだわり抜いた「手技」というところに、体験に来て下さった方は「すごくよかった」と魅力を感じてくださり、申し込みにつながっているのではと考えています。
そういった当社ならではの魅力を発信して、外のコンテンツへ広げていきたいですね。

 

インフルエンサーキャンペーンから学んだ、ブランドに本当に合う戦略

-ソシエのエスティックの魅力や価値を伝えるために、ソーシャルメディアを活用するということですね。外にコンテンツを置くという面では、貴社のInstagramにはユーザー投稿のリポストもみられますが、こちらもその一環なのでしょうか?

2017年1月くらいからリポストが並んでいると思うのですが、いわゆるインフルエンサーマーケティングのキャンペーンですね。実は、あまりうまくいかなかった例です。インフルエンサーさんとそのファンの方にとにかく来店・体験してもらおうと行ったのですが、その結果起きたことは「来店は増えたけれど、契約は増えない」という‥。

 

-その原因は何だったのでしょうか。

インフルエンサーひとりひとりのフォロワー数も多く、初回体験用のクーポンコードも発行されていたので、情報拡散には成功しました。しかし、「一度エステを体験してみたい」という興味本位の方の来店が増え、結果的に契約に至りませんでした。つまり、当社がターゲットとする層とは異なる方にアプローチしていた。ここはひとつ勉強したのかなと思います。

 

-このキャンペーンでは、継続的な顧客が増やすことができなかったということですね。その後、ソーシャルメディアの活用でうまくいった事例はありますか?

またInstagramの事例になりますが、ビューティアベニュー ソシエ 新宿タカシマヤ店で開催した「キッズお仕事体験」イベントですね。新宿タカシマヤ店では、エステティックのほかにネイルも行っているのですが、お客さまのお子さん向けに、ネイルサロンのお仕事体験を開催し、その模様をアップしました。

 

-素敵な活動ですね。これに効果があったということでしょうか。

「いいね!」こそ、49件(※2019年3月27日時点)とそれほど多くないですが、これをアップした瞬間にネイルの新規申し込みが結構増えました。

-Instagramを単なるキャンペーン用ではなく、体験を企画して伝えるという使い方に変えたんですね。

はい、ソーシャルメディアでは、キャンペーンを量産しているアカウントも多いと思います。ですが、僕はそういうものは「やめたい」と思っています。むしろ、先ほどのお仕事体験の投稿のように、ユーザーの琴線に触れるものを作っていきたい。

最近はSNSでの企業炎上が多いですよね。良いことも悪いこともすぐに広がり話題になります。そういった意味でSNSは怖い存在でもあります。だけど、僕たちがエステティックやソシエについて、「正しいことを正しく発言して、誇大広告にさえならなければ」とても有力なものだと思っています。

 

「これからはクリエイティブ」キャンペーンにおいて重要なのは、どう表現するか

-ソーシャルメディアで、ブランドイメージをきちんと伝えるという方向性が、ソシエのマーケティング活動には、合っているということですね。ただやはり、数字を出さなければならない場合もありますよね?

そうですね。やはりプロモーションとして、結果を残すことも大事になってきます。さきほどのように、ユーザーの琴線に触れるものを作るというのは、単に「いいね!」の数では図れないものなので、来客数を増やすなどの活動も重要になります。そのために、リスティング広告や、ディスプレイ広告・アフィリエイト広告など、一般的な施策も行っています。

 

-そこで、意識していることはありますか?

運用型広告のPDCAサイクルは、広告代理店さんと取り組んでいますが、そこでの効率化や最適化のために、重要視していることがあります。それは「クリエイティブ」です。未来のお客さまに対し、どういう言い方をするのか、どういう表現をすれば響くのか、そこにこだわっています。

 

-「クリエイティブが重要」という点は共感します。そこに注力して具体的に取り組んだ事例はありますか?

以前10万円分のチケットをプレゼントするという、いわゆるキャンペーンを実施したのですが、そこで表現として気を付けた部分があります。

 

-それは、どういったところでしょうか?

痩身のニーズがあがるのって、夏に向けて肌の露出が多くなる時期ですよね。逆に、冬になり服を着込んでいく時期は、肌の露出が少ない為、少し体型が崩れたとしてもごまかせる、だから冬はダイエットする必要がない‥‥と言ったら、怒られますかね。でも、その潜在ニーズはあると思います。

ただわれわれは、冬は体を温めようと代謝が高まるため、ダイエットに適していると考えます。なので、この動画では「冬だからこそエステティック」というテーマで、代謝の高い冬だから痩せよう、というニーズを喚起する表現を使いました。潜在ニーズとして来年には体型が変化しているんですよ、ということも暗に伝えています。

 

単に「10万円あげます」という言い方をするのではなく「冬だからこそ痩身、エステティック」という理由づけをすることが必要だと思って実施したキャンペーンです。

 

「お客さまに一番良いサービスを提供するサロン」魅力を正しく伝えるマーケティングを

 

-あくまでも表現は、ユーザーのニーズに合わせた提案にする。キャンペーン一つにしても、そのようなブランディングや啓蒙のようなものが、共存しているんですね。

そうですね。やはりマーケティングの基本の考え方として「正しくブランドイメージを伝える」ということがあります。

 

-その考え方にはどのような背景がありますか?

この業界は、じつはリターゲティングってあまり獲得できないです。理由は、痩身やエステティックってポーンと急にニーズがあがるので、そのタイミングを逃してしまうとユーザーは他社やエステティック以外の選択肢に流れてしまう。とくに、当社はトライアル料金が一般的なものに比べ少し高いので、選ばれにくいです。

ただ、われわれはこの価格を下げてはいけないと思っています。本質的なお客さんと出会うために、価格競争はしてはいけない。ソシエは「お客さまに一番いいサービスを提供するエステティックサロン」であり、そのためにロケーションや施術、化粧品、エステティシャンの教育にこだわっています。そういう点を、正しく伝えるマーケティングをしていきたいと思っています。

 

-マーケティングにおいて、貴社はブランディング要素を重視されているように見えます。

そうですね、やはりソシエの基本フィロソフィーである「-手に心をのせて- この想いのもと、私たちはひとつひとつの技術や所作を磨く努力を惜しみません。美しくなっていただくのはもちろん、日常から離れた空間で心からくつろぎに満ちた時間をお過ごしいただきたいのです。」という部分は、デジタルやソーシャルメディアをうまく使っていきたいと考えています。

さらにいうと、僕たちが正しい方法で正しくブランドイメージを伝えることで、エステティック業界全体のイメージも変えていけるのではないかと思っています。

 

-エステティック業界の、どのようなイメージでしょうか?

以前、エステティックのイメージについて調査をしたのですが、実際一番多かった声が「勧誘がしつこそう」というものでした。今は強引な勧誘をする会社はないと思いますが、検索していくとやはりそのような体験談もでてきます。「体験終わりました。そのあと2時間拘束されました」みたいな…。

 

-確かに、そのようなイメージが「ない」とは言えないですね。

そうですね。つまり、エステティック業界全体の評判形成がうまくいっていないわけです。そこを変えていかなければ、新しい層のお客さまも増えないと思っています。

なので、ソシエのサービスの魅力を「正しい表現」で伝えていくことが結果的にエステティックのイメージをより良くすることにつながり、新しいお客さまにも出会える、これが僕の考える理想のマーケティングのカタチです。

 

株式会社ソシエ・ワールド

 

ソシエ・ワールドは、「美が未来を創る」というメッセージとともに、トータルビューティーをコンセプトとして、「エステティック」「ヘアー」「美眉・美まつげ」「加圧スポーツスタジオ」「ブライダル」の5つの事業を柱に国内外に130店舗以上のサロンを展開。

https://www.socie-world.co.jp/

 

<エステティック事業について>

昭和56年(1981年)銀座・並木通りに初の本格エステサロン「ソシエdeエステ銀座ワールド」1号店をオープンして以来、一流の場所への出店をこだわり、ホテルのようなエントランスやリラクゼーションスペース、サウナ、個室キャビンなど現在も受け継ぐプライバシーを重視した革新的なサロン作りを行うなど、顧客主義の精神を追求し続けている。

https://www.socie.jp/

 

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