行動心理

【スノッブ効果・ヴェブレン効果・バンドワゴン効果】の違いわかりますか?

投稿日:2018年12月10日 更新日:

経済学にバンドワゴン効果、ヴェブレン効果、スノッブ効果という購買心理を高める理論があるのをご存知ですか?
これらは、経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインの論文『消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、及びヴェブレン効果』の中で述べられています。
今回は、広告戦略にとって重要なこの3つの理論を心理学視点でわかりやすく分析します。

他人とは違うものを欲しがる現代日本人の心理「スノッブ効果」

スノッブ効果とは、他者の購入量が減少するほど、購買者個人の購買心理は高まるという現象のことです。

これは、希少価値による購買心理を促進する戦略で、品薄になるとどうしも欲しくなる心理を応用したものです。
さかのぼると米、トイレットペーパー、たまごっち、スーパーファミコンなど品薄の商品を購入するために多くの人々が東奔西走し長蛇の列を作りました。希少性とは、これほど強く購買心理を高めるのです。

私たちは自由を束縛されると反発して束縛から脱出しようとします。この心理を心理的リアクタンスと言います。
希少性の心理が起こる理由としては、そのように商品を購入する自由が奪われるため、反発して商品を手に入れるための行動を起こすようになるのです。

例えば、キャンペーン広告などでよく目にする、期間限定・数量限定といったものもスノッブ効果を使用したものですね。

スノッブ効果を使用した広告戦略の実例

・ゼロ円タクシー、都内・50台限り
乗車賃がゼロ円のタクシー、これだけでインパクト十分ですが、行先は都内限り、このサービスを行うタクシーは50台限りということで、スノッブ効果を用いた広告戦略です。

特に、TV各社がニュースで取り上げていますので、パブリシティとしても効果があったということになります。

高価なものほど購入したくなる「ヴェブレン効果」

スノッブ効果に高価格戦略をプラスするとヴェブレン効果になります。高価なものに対して購買心理が高まるという傾向です。
現代日本人が強く持っている欲求として、自分の優越性を求める「自我欲求」と呼ばれる欲求があります。つまり、他人の持っていない特別な商品に魅力を感じます。簡単に言えば、高価なものを持つことにステータスを感じで購買心理が高まる心理です。

例えば、ブランド品を求める人たちの心理です。高価なブランド品を持つことで、周囲の人からうらやましがられて、セレブや偉い人になったような良い気持ちになり購買心理が高まるのです。

ヴェブレン効果を使用した広告戦略の実例

・日本は、義理チョコをやめよう
高級チョコレートのゴディバの広告戦略です。このコピーは義理チョコに反対する人々の支持を受けました。自社の得意な土俵で戦おうという戦略が見えます。愛情に見合った高価なチョコレートをプレゼントしようという提案です。

・吸引力の変わらないただ一つの掃除機
ダイソンの掃除機のコピーです。価格は高いが最高性能の掃除機であることを訴求しています。その後、扇風機やドライヤーを日本市場に投入して、ダイソンの広告戦略は成功しました。

他人と同じ商品を買いたくなる心理「バンドワゴン効果」

バンドワゴンとは行列先頭にある楽隊車であり「バンドワゴンに乗る」という表現は時流に乗る・勝ち馬に乗るという意味です。バンドワゴン効果は、同じ商品を消費する人が多ければ多いほど、自分の購買心理が高まるという効果です。

バンドワゴン効果を使用した広告戦略の実例

伊勢市の赤福のホームページに掲載されている案内が興味深いので紹介します。
それは、朔日餅という毎月一日にだけ販売されるお菓子の購入方法について(http://www.akafuku.co.jp/product/goyoyaku/)です。

朔日餅には、1日限定販売という点でスノッブ効果が効いていますが、実際に朔日餅を買いたい人がチェックする購入方法の案内ページでバンドワゴン効果を発生させています。
例えば以下のような点です。

・列整理券の事前受付
朔日餅を購入するためには、前日の午後5時に「受付番号票」を受け取り、当日の午前3時30分「列整理券」と引き換えます。ようやく午前4時45分に販売開始となります。朔日餅を買うのに二日がかりなのです。※事前予約もあり

・商品がなくなり次第、販売終了
しかし、これだけ苦労しても買えるかどうかわからないのです。これだけ大勢の人が買いに来るというように閲覧者にイメージさせ、競争心も働くようになります。

・臨時駐車場のご案内、シャトルバス
臨時駐車場を用意することやシャトルバスを出すこと自体、大勢の人が集まる証拠です。しかも、シャトルバスは午前2時30分頃より運行開始ということですが、購入者の意気込みがわかります。

こうして、手に入れた朔日餅は最高に価値のあるもので、バンドワゴンに乗ることです。閲覧者に希少性、社会的証明、競争心を刺激します。
さらに朔日餅の商品ページのトップはお店に大勢の人が集まっている画像が使われています。テレビなどでみるイメージに合わせて視覚的にバンドワゴン効果を醸成していますね。

またこれは意図した戦略ではないと思いますが、訪れた人が朔日餅を買えなくても主力商品の赤福が売れるという仕組みになっています。

 

まとめ

今回は3つの心理効果をご紹介しました。

・他人とは違うものを欲しがる現代日本人の心理「スノッブ効果」
・高価なものほど購入したくなる「ヴェブレン効果」
・他人と同じ商品を買いたくなる心理「バンドワゴン効果」

同じ希少性を源にした効果ですが、戦略はまったく異なっています。
自社製品、サービスの戦略にはどれが合っているのか考えてぜひ使用してみてください。

 

参考文献
「影響力の武器」ロバート・B・チャルディーニ(誠信書房)

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村田 芳実(日本心理学会認定心理士)

日本心理学会認定心理士
1975年、生命保険会社入社。広報責任者や支社長を歴任。
1997年10月、株式会社小森コーポレーション(一部上場印刷機メーカー)に転職。広報・マーケティング部門を立ち上げ、情報誌の編集長として企画・取材・執筆を担当し、ユーザー会の事務局長として、企画・運営を担当。
現在は、心理学のマーケティングへの活用やビジネス心理学を研究しながら、書籍やWebサイト記事の執筆、化粧品会社の記事監修も行う。

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