寄稿コラム

なぜSNS炎上は起きるのか。企業がもつべき倫理観とは?

投稿日:2019年2月12日 更新日:

インターネットにおけるバズと炎上は似ているようで大きく異なります。
当然ながらバズはポジティブな意見と共感が多く書き込まれ、反対に炎上はネガティブな意見が殺到し、その後の活動に暗い影を落とすほど、発信者に悪影響を及ぼします。

しかし情報発信をして、ポジティブなイメージを世の中に広げたいという切実なニーズは強くあることでしょう。
そのためにも、ソーシャルメディアやインターネット上で拡散される炎上において企業倫理とはどのようなものか理解しておくことは重要です。

炎上はなぜ起きる?

そもそも炎上はなぜ起きるのでしょうか。それは人の「心の沸点」を超えた強い働きかけがあるからです。

特に炎上においては、中心になって着火している人はわずか数人だという研究があります。
現にお笑い芸人のスマイリーキクチさんを10年に渡って誹謗中傷し続けた一般ネットユーザーが逮捕されましたが、その人数は、わずか数名でした。
何のつながりもない人が、世の中うまくいかないというフラストレーションを誹謗中傷にぶつけていたのです。

これは裏を返すと、たった数人でも心をかきむしるような広告を行うと、激しい炎上が起きるということです。

では具体的な炎上の例と理由をみていきましょう。

 

企業の炎上は、空気の読み違いから

企業の問題認識のズレ

たとえば、東京電力ではインスタグラムでフクイチ(福島第一原子力発電所)の事故前の写真を投稿し「#工場萌え」「#visitjapanjp」とハッシュタグをつけて世界に向けて拡散し、大ひんしゅくをかったことがあります。

多くの犠牲者と避難者を出し、日本中を暗くした原子力発電所事故において、「#工場萌え」とやってしまったのですから、非難の対象になるのは避けられません。また同時に、この投稿を回避できなかった、という企業の内部事情も表出してしまいました。

世間と企業との問題認識のズレ、世間から企業がどうみられているか、その認識のずれによって起こってしまった事例です。

ジェンダー規範の押しつけ


昨今非常に多いタイプの炎上が、女性をバカにして怒りを買い、激しく非難されるパターンです。
最近では、西武そごうの広告ポスターやLOFTのバレンタインポスターなどがTwitterで炎上しました。

2015年のルミネ「LUMINE Special Movie」の第一話では、女性社員が普通の身なりで出社すると、上司が彼女を職場の華ではないと揶揄するというものがありました。
その女性が、私も変わりたいと考えつぶやいたとき、ルミネのコールが入ります。

これは、つまり「女性は職場の華であるべき、そうでない人は女性失格だと世間に言われるからルミネで買い物しましょう」というメッセージを込めたCMです。

これらは、ある種のジェンダー規範のおしつけとなります。ひと昔前の女性は結婚したら退職し、家事と育児に専念することが前提の会社が多かったため、職場の華という男性の目線を前提とした存在だったかもしれません。

しかし重要な点は、今の社会が男性にとって「生きづらい」とか「何も言えなくなった」とか、「女性が意見を言うようになり強くなった」とかそういったことではなく、それまでの社会でも、男性と同じように働きたいという願望を持った人もいたのに、一部の人の思いを踏みにじった上で成立していた社会だったということです。

それがグローバル化とインターネットによる民主化、そしてダイバーシティの流れとともに、思いが噴出しているのです。
これもある種の沸点であり、心の解放が行われている現象だとみなせます。

 

炎上を防ぐには?


炎上が起きると、いろいろな人が「炎上論」を投稿するのも特徴です。そこからみえてくる、企業が炎上を防ぐために気を付けることはどんなものでしょうか。

Webライターとして人気のヨッピーさんは、炎上から目をそむけ無視をしようとする人に対して「炎上とは誰かを傷つけているということ。それを反省しなければ」と投稿しました。

また同じく人気ライターのセブ山さんは「インスタを炎上させている人は、特殊な人たちだと思いがち。しかし怒りのコメントを書き込んでいる人たちのアカウントをひとつひとつチェックしてみましょう。キレイな空、美味しいご飯、子供の運動会…普通の日常がそこにあります。勉強のためクリックしてみるといいでしょう」と投稿したことがあります。

つまり、炎上に関わっているのは、普通の日常を持った普通の人たちであり、企業はその人たちの心を傷つけてはいけない、ということです。

 

自社が炎上を起こしてしまったら?

ただし過剰に恐れる必要はありません。自社が炎上してしまったらどうしたらいいのでしょうか。まず早期の撤回と謝罪。そして言い訳をしてしまわないことです。潔くスパッと謝り、アカウントも消しますと過剰なぐらい謝罪すると今度は「そこまでしなくても」というある種の返報性の原理(レジリエンス)が働きますから、多すぎるぐらい謝るのも一つの手です。

 

炎上は、「誰かの心を深く傷つけ」「心の沸点を超え」「世間との乖離」が重なったときに起こります。
とくに消費者を相手にする企業は、庶民感覚が大切です。一般のインターネットユーザーの生活感や大切にしている気持ちに敏感になり、消費者に心をよせて、炎上しない広告制作、SNSでの情報発信を心がけなければなりません。

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

S.Watanabe

名もなきライター(S.Watanabe)として、noteで仕事術や思考法を綴ったマーケティング&ビジネスウェブマガジンを発行中。
現在、各業界の一流ビジネスパーソン450名が購読するまでに成長。
マガジン(note)はこちら:https://note.mu/namonakiwriter/n/n30ecea01037d

-寄稿コラム

Copyright© Web行動心理学研究所 - by infodex co. , 2019 All Rights Reserved.