行動心理

【精緻可能性モデル】ユーザーを説得する2つのルートとは?

投稿日:2019年2月18日 更新日:

どのようにしたらユーザーは企業のメッセージに応じてくれるのでしょうか?

今回はE.ぺティとT.カシオッポの「精緻可能性モデル」から、説得がどのように処理されていくかをみていきましょう。
さらに、これをトレースしWEBマーケティングに活用するポイントをご紹介します。

精緻可能性モデルとは?

 人は説得的コミュニケーションを受けた時、中心ルートと周辺ルートの2つの思考パターンを辿って態度が変化します。

下記の精緻可能性モデル図をご覧ください。ある人が禁煙についての説得を受けて、どのように対応していくか、そして、禁煙を受け入れるかどうかについてのプロセスを図式化しています。

ここに記載のある「態度」とは、例えば、禁煙について「禁煙の必要はない」という考えを示すのか「禁煙は必要だと思うが自信がない」など禁煙について、日ごろどのように考えているかということです。赤い実線の矢印がYES、青い点線の矢印がNOを示しています。

このプロセスをトレースしていくと、説得がどのように進んでいくのかが明らかになってきます。

説得を受け入れる2つの流れ

精緻可能性モデルに基づく、2つの説得の流れをみていきましょう。

① 中心的ルート:理論的に判断する

まず、図の左側の流れの説明をします。これは、中心的ルートといわれます。図の一番上の「説得的コミュニケーション」が禁煙の説得をうけたときです。そして、それを受け入れるか否かは、次のような流れになります。

ターゲットが禁煙を検討する意思がある→禁煙についての知識や情報を入手できる→論理的に禁煙をするか判断する

その結果、提案を受け入れて肯定的になれば禁煙することになります。しかし、受け入れなければ禁煙することはありません。そして、このプロセスを経験した人は、それ以降禁煙の説得をうけても態度を変更することはなく、喫煙を続けていても禁煙のターゲットにはなりづらくなります。

② 周辺的ルート:周囲の意見で判断する

中心的ルートに対して、各ステップから右に出ている点線の流れが周辺的ルートです。

各項目でNOを示した場合は、周辺的手掛かりで判断します。自分で判断をすることはなく、専門家の意見(例えば、主治医の指示)や、周囲の行動(例えば、友人や同僚の禁煙)など周辺的手掛かりで判断します。

他人の影響を受けて判断する流れです。この人たちの態度変容は短期的であり、態度が変化してもしなくても、その後態度を変える可能性があります。

 

WEBマーケティングに活用するポイント

ではこの2つのルートをトレースしWEBマーケティングで活用するポイントをご紹介します。

中心的ルートでアプローチする

1、精緻化する動機を与える(問題提起)

まず、従わなければならない問題を訴求します。つまり、ニーズの掘り起こしです。ユーザーが今の状態を続けることで発生する問題を深堀して、WEB広告のコピーなどで提起しましょう。

2、知識や情報を与える(ソリューション)

「1」で掘り起こしたニーズに対して、それを解決する知識や情報を与えます。いわゆるソリューションです。例えば、商材の性能、便利な使用方法から、実際の購入方法(どこでどうやって買えるのか)を「1」の広告の遷移LPなどでこれを提示し、ユーザーをCVへ誘導します。

中心的ルートのターゲットとなる人々は、自分の問題の認識しており、解決法を論理的にみつけられる状態なので、その問題がなぜこの商材で解決できるのか、ということにフォーカスして訴求することが効果的です。

周辺的ルートでアプローチする

1、専門的な意見を訴求する

精緻可能性モデルの周辺的ルートは、専門家や権威者のアドバイスは受け入れられやすいというヒューリスティックの心理を利用することが有効であることを示しています。例えば、LPに専門的で信用性の高い人物のコメントを掲載したりすることがこれにあたります。

2、周囲の声を紹介する

周囲の行動を参考にする心理として、社会的証明が影響しています。社会的証明の心理は、他人の行動や判断に引きずられる心理で、私たちには、大勢の人々に追随する心理があります。例えば、SNSインフルエンサーを利用する、Twitterで商品を使った人の声をリツイートするなどが考えられます。

周辺的ルートのターゲットとなる人々へアプローチするには、広告からの一方的な情報よりも、ユーザー同士のコミュニケーションが発生しやすいSNS等が合っているかもしれません。そこにフォーカスして獲得していくのも一つの手法です。

まとめ

今回は、精緻可能性モデルの2つのルートをご紹介してきました。

① 中心的ルートでニーズを掘り起こしソリューションを提供する
② 周辺的ルートで専門家のアドバイスと周囲の行動を訴求する

中心的か周辺的か、自社のターゲットはどちらのアプローチを強化すべきか、そこから考えることで、一貫的で効率的な課題解決に取り組むことが可能になります。ぜひ、マーケティングに活用してみてください。

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

村田 芳実(日本心理学会認定心理士)

日本心理学会認定心理士
1975年、生命保険会社入社。広報責任者や支社長を歴任。
1997年10月、株式会社小森コーポレーション(一部上場印刷機メーカー)に転職。広報・マーケティング部門を立ち上げ、情報誌の編集長として企画・取材・執筆を担当し、ユーザー会の事務局長として、企画・運営を担当。
現在は、心理学のマーケティングへの活用やビジネス心理学を研究しながら、書籍やWebサイト記事の執筆、化粧品会社の記事監修も行う。

-行動心理

Copyright© Web行動心理学研究所 - by infodex co. , 2019 All Rights Reserved.